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  2. 「高き志」をめざし、世界各国で活躍する文理生からのメッセージ集
 私は文理高校を卒業後、東京大学教養学部理科 I 類に入学し、その後、私達が生活する都市環境の形成に深く関わる都市計画を勉強するため、3年次には工学部都市工学科に進学しました。東京大学卒業後、同大学院工学系研究科都市工学専攻の修士課程そして博士課程へと進み、主に日米の都市計画の制度と計画策定技法の研究に従事し、2004年には博士(工学)の学位を取得しました。
 都市計画とは、伝統的には、人々の経済的・社会的活動を支えるために、道路、鉄道、駐車場、公園、上下水道、電気・ガス供給施設、通信施設といった社会基盤を整備し、それらと数多くの建物によって構成される商業地、工業地、住宅地、様々な用途が複合した市街地を計画・実現していく取り組みです。それぞれの社会基盤は土木分野の専門家が、それぞれの建物は建築分野の専門家がつくります。どのような社会基盤や建物を、都市のどのような場所につくるのが良いかを検討・提案し、実現するのが都市計画の専門家です。人口が急激に増加する時代が終わった先進国では、新しい都市や市街地をつくる仕事はほとんどなく、既存の都市環境をより魅力的に、より安全・安心に、より持続的なものに少しずつつくりかえていくことに力が注がれています。こうした都市計画を支える概念、制度、方法、技術を開発し、実際の社会に適用するのが私のような都市計画研究者の仕事です。
 2004年から2年半は、東京大学国際都市再生研究センターの研究員として、先進国・発展途上国を含む13ヶ国の主要都市を訪問し、都市計画の現場を見る機会に恵まれました。解決の糸口がない深刻な問題を抱える都市もありましたが、どの都市でも、自分達が生活する都市環境の良いところを守り育て、悪いところを直していく、前向きかつ積極的な専門家達と出会い、大いに刺激を受けました。2006年10月からは、名古屋大学に在籍し、それまでに培った国際的な感覚を大切に、海外の研究者や実務家とも交流しながら、名古屋をはじめとする東海地方の都市をフィールドに研究を進めています。教育では、通常の講義や実習に加え、フランス・パリの建築学校と共同で大学院生向けの建築・都市設計ワークショップを開催するなど国際的な取り組みも始めました。
 この文章を書いている2週間前に、東北地方太平洋沖地震とそれによる津波、加えて原子力発電所の事故により、東日本に甚大かつ広範囲の被害が発生しました。都市計画研究者として、被災した都市の復興を積極的に支援したいと思います。
※2011年 BUNRI JOURNAL No.85号掲載原稿。
Research Summary
One of the recent topics of my research unit is"Creating Urban Infrastructure". "Green Infrastructure" is generally the network of open spaces, waterways, gardens, woodlands, green corridors, street trees and open countryside that brings many social, economic and environmental benefits to local people and communities. The objective of the research is to investigate various cases of policies, plans and programs developed by city governments and their partners in Europe and North America to create"Green Infrastructure"strategically in existing urban areas, and consider their transferability to Asian cities.


日本語概略
研究室の最近のテーマの1つは「都市のグリーン・インフラストラクチュアをつくる」。公園、広場、水路、森林、街路樹等のネットワークを既存の市街地の中で戦略的につくっていくための政策・計画・プログラムの事例を研究しています。
▲ 安心・安全な都市づくりを目指す名古屋大学准教授 村山さん
   撮影:ニッコアイエム(株)

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