寒い冬を南の国々で過ごしてきたのです。戻ってきた日の朝会で子ども達に、「ツバメの寿命は1年半から2年といわれています。去年、文理で生活したか、生まれ育ったか、自分の巣をよくおぼえているものですね。時速50キロで飛んでいるそうですよ。
ツバメといえばオスカー・ワイルドが書いた『幸福な王子』の話を思い出します。ヨーロッパのある国のお話です。きらびやかな王子の像が貧しい人々に施しをしていく話ですが、その王子の宝石を運んでいるつばめが、運ぶことに一生懸命になるうち、南の国に戻る機会をなくします。雪が降り始めるころ、きらびやかだった王子はみすぼらしくなり、その足元でつばめは天国に召された。という話です。人のために、何ができるのでしょうか。ツバメは、ツバメなりに考えたということでしょう。文理のツバメが大きくなって巣立っていくまで大事に見守ってください。」と話しました。
話している子ども達の上をツバメが勢いよく飛んでいました。