学校のある狭山市は、首都圏の住宅地でもあり、古くからの農地もあるところです。学校から歩いて数分のところに文理ファームがあります。稲作だけでなく、サツマイモ、落花生、大根、じゃがいもなど学年によって収穫物は違います。農業体験は、日本の稲作文化への理解、食育でもあり命の教育にもつながる大切なことです。
1年生が保護者と一緒に水田に入り、田植えをし、3年生が秋に保護者と一緒に稲刈りをする。他の学年は、理科教育の一環として育てる。実際、田植えをした保護者に聞くと、「人生初めてです」「いい経験になりました」と感謝されます。
秋には、収穫した稲を学校の隣にある八雲神社に奉納して、五穀豊穣を感謝するのです。そうすることによって、初めてお米が八十八の工程を経る、漢字の意味がわかるのです。そして、米粒一つ一つの大切さがわかってくるのです。「いただきます」は、植物や動物の『命をいただきます』だとわかるのです。
「今年も豊かな恵みのある1年になるといいな」と、苗を植えた水田に一陣の薫風が通りすぎ、そんなことを願いました。