学校から歩いて数分のところに水田があります。昨年は、緊急事態宣言中で田植えができませんでした。今年は、コロナ禍ですが、「できる。どうやろう。」を合言葉にクラスで時間を分けて実施しました。1年生の田植え、3年生の稲刈りの作業は、日本の稲作文化への理解を深めることでも大切ですし、いつも食べているご飯を粗末にさせないための食育でもあり、植えて、育て、刈り取ることで命の教育にもつながることなのです。
1年生が保護者と一緒に水田に入り、初夏を感じながら、親子で水田の土の感触を知ることは、大きくなった時に「そんなことがあったね」と経験の分かち合いになるはずです。実際、田植えをした保護者が「人生初めてです」「いい経験になりました」と感謝されました。秋には、収穫した稲を学校の隣にある八雲神社に奉納して、五穀豊穣を感謝するのです。そうすることによって、初めてお米が八十八の工程を経る、漢字の意味がわかるのです。そして、米粒一つ一つの大切さがわかってくるのです。「いただきます」は、植物や動物の『命をいただきます』だとわかり、それはフードロスをなくしていく大切な過程でもあるのです。
「今年も豊かな恵みのある1年になるといいな」と思っていると、ちょっと不揃いに並んでいる苗を植えた水田の上をツバメが通りすぎていきました。